第150章 誤解される不安

一方、橘凛と西園寺翔は大学近くにある閑静なレストランでランチを終えていた。

西園寺翔は気が利く男だ。テーブルに並んだのは、すべて橘凛の好みに合わせた淡泊な味付けの料理ばかりだった。

食事の間、会話こそ少なかったが、気まずさはない。そこには旧知の友人のような、自然な空気が流れていた。

店を出ると、西園寺翔は車を走らせ、帝都大学の正門まで橘凛を送り届けた。

車が静かに停車する。橘凛がシートベルトを外し、降りようとしたその時、西園寺翔が彼女を呼び止めた。

「橘凛」

彼の声は穏やかだったが、そこには隠しきれない緊張が滲んでいた。

「……近いうち、夜に空いてる日はないか? 両親が、君を家...

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